ゴー宣DOJO

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高森明勅
2013.9.16 12:36

「風立ちぬ」の中の「仕事」

映画「風立ちぬ」では「仕事」が重要なモチーフになっている。

労働とか、職業といった言葉では、どうしても相応しくない。

仕事という言葉を使うしかない、営み。

それが人間にとって、或いは日本人にとって、
どのような意味を持ち得るのか。

それを問うた作品のようにも思える。
(以下ネタバレ注意!)

新妻、菜穂子は病床に伏し、傍らで夜中に家でも仕事をする夫、
二郎の手を握りながら、言う。

「仕事をするあなたの顔を見るのが好き」と。

或いは結婚前、喀血した菜穂子を見舞った二郎が、
仕事のために側にいてやれないことを、菜穂子の父に詫びた時、
菜穂子の父は淡々と
「男は仕事をしてこそのもの」と応じている。

それがアメリカ人などからどう見えようと、
ここに宮崎監督の本音の「仕事」観が
ストレートに表現されているだろう。

また劇場に足を運ぶ日本人の多くは、
本人が自覚しているかどうかはともかく、
作品中の仕事の描き方に、どこかしら共感しているのではないか。

二郎の仕事への打ち込み方は異常なほど。

それは、仕事への没入によってこそ、
自らの夢に形を与え、真に「生きる」ことが出来たからだ。

だが勿論、菜穂子への愛情がないわけではない。

むしろ彼女への愛は、極めて深い。

それが端的に表れているのは、
菜穂子喀血の電報を伝えられた二郎が、
仕事に必要な図面や書類を鞄に詰め込み、
菜穂子のもとに駆けつける途中の汽車で、
仕事をしながらも書類に涙を落とす場面だろう。

菜穂子を高原病院に帰さず、結核が治らないまま、
結婚に踏み切ったのも無論、愛情ゆえのことだ。

或いは、通俗的には彼の仕事のひとつの総仕上げというべき
試作2号機(九試単戦)のテスト飛行の時でさえ、
菜穂子の異状を直感して、半ば上の空だった。

二郎の菜穂子への愛はかくも深い。

その愛情の深さこそが、かえって仕事の完成度を極限まで高めたと
言えるだろう。

理想型としての愛と仕事との、
一瞬かぎりの夢のような“至福の調和”を描いたのが、
この作品ではないだろうか。

大人のための極上のファンタジーと言うべきだ。


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テーマ「『風立ちぬ』から現代を考える」



平成25年10月13日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。




「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。


毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 
“ こちら ” でどうぞ。




次回の10月13日(日)開催の「ゴー宣道場」のテーマは

『「風立ちぬ」から現代を考える』



宮崎駿の新作映画『風立ちぬ』が
10月までロングランしているかどうかはわからないが、
この映画には歴史観においても、現代を見る視点においても、
重要な論点が内包されている。


韓国人や日本の一部のインテリが批判するような
ゼロ戦は戦争推進の殺人兵器だから悪であり、
それを作った堀越二郎は無条件に称えてはならぬ

という典型的な自虐史観を大前提にした物言いは無意味である。


「宮崎駿の〈世界〉」という著書もある切通理作氏と、
宮崎アニメが大好きで『風立ちぬ』はすでに3
回も見たという高森明勅氏が
熱く語るだろう。


わしは宮崎アニメはあまり熱心に見てはいないが、
『風立ちぬ』は大人ものだから、興味ある論点がいくつも思いつく。



注意してほしいのは、宮崎アニメ絶賛オタクのうんちく大会ではないということだ。


あくまでも『「風立ちぬ」から現代を考える』のが
次回の「ゴー宣道場」のテーマである。



映画を見た人も、見てない人も、現代を考える気がある人なら
楽しめる道場にしよう。




HP上の申し込みフォームからも申し込み可能です絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のHPメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。
当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。



 道場参加申し込みフォーム



引き続き、往復ハガキでの応募も受付けております絵文字:重要絵文字:記念日


入場料は、お一人1000円です。

参加ご希望の方は、

往復はがき に、『第38回参加希望』 と明記、

さらに、


1. 
氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名と続柄・関係など)

2. 住所

3. 電話番号
4. 年齢

5. 
職業(学生の方は学校名)
6. 
募集を知った媒体
7. 
応募の理由と道場への期待


返信はがきの宛名には、ご自分の氏名・住所をご記入の上、


152-8799

東京都目黒区目黒本町1-15-16 目黒郵便局・局留め

『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端


まで、お送り下さい。



応募〆切平成25年10/2(水)必着です。


当選された方にのみ
当選通知を送らせて頂きます絵文字:記念日
(往復ハガキで応募された方は返信ハガキで、ネットから応募された方は
 当選メールでの通知となります。)

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします



皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ


高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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